三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社

製品開発の全体像と適応型開発プロセス研修


教育用のタブレット端末、電子決済のための通信モジュールなど、私達の生活に不可欠な機器を企画・設計・開発・製造している三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社様を対象に、システムデザインの観点から製品開発のプロセスについて考えて課題を抽出する研修サービスを提供しました。

研修の概要・目的

顧客の求めるものが機能から体験へと変化し、VUCAの時代と呼ばれるようにビジネスの不確実性が高くなっている中で、製品開発プロセスにも変化が求められています。

顧客要求の不確実性を前提としてアジャイルやデザイン思考のような価値探索に重きを置いたアプローチが広まっている一方、それだけでは量産を伴うような製品開発において求められる納期や品質を達成することが難しく、ウォーターフォール的なアプローチとの両立が必要となります。

この研修では「製品開発の中ではどのような不確実性を取り扱うのか?」や「それがプロセス全体にどのように影響するのか?」といったことをゲームを通して体験し、認識を揃えた上で、システムデザインや不確実性に関する知識をレクチャー形式で学びます。さらに、現状の製品開発プロセスを可視化した上で、課題点や解決策を洗い出すためのワークショップを行いました。

ワークショップでは、企画・設計・実装など、開発プロセスの中で様々な役割を持つメンバーが参加し、システムデザインや不確実性という共通の概念を土台としつつ異なる視点をぶつけ合うような場を設定しました。これにより、既存の開発プロセスでは扱いきれていなかった不確実性に焦点をあて、プロセス全体の捉え直しを行うことができます。

研修の流れ

この研修プログラムでは以下の内容を2日間に渡って実施しました。

  1. ゲームで体験する製品開発の全体像
  2. システム思考の基礎
  3. 不確実性に適応するためのワークプロセス
  4. 課題抽出ワークショップ

※ 研修の内容や構成は要望に応じてカスタマイズすることも可能です。

1. ゲームで体験する製品開発の全体像

レヴィが開発したゲーム教材「ペジテの自転車」を活用したワークショップを通して、製品開発の全体像をつかみ、関連用語や基本概念について学びました。ペジテの自転車では、隠れた顧客要求を扱う必要があり、不確実性が製品開発にどのように影響するかを手軽に体験することができます。また、現実の製品開発プロセスとゲーム内での体験を対応付けることで、何が起きているのかを一段階高い抽象度で認識することができるようになります。

ペジテの自転車については以下のブログでも紹介していますので、ぜひご覧ください。

ペジテの自転車をプレイしている様子
2つの不確実な(裏向きの)要求をどう扱うかを議論

2. システム思考の基礎

レヴィが提案するシステムデザインのベースとなる考え方であるシステム思考について概要を紹介し、参加者の皆様の業務に対してどのように役立つかを議論しました。

システムとは捉え方である
システムの見え方・切り取り方

3. 不確実性に適応するためのワークプロセス

ゲームでの体験やシステム思考という土台を元に、不確実性とは何か、それらがシステムデザインに対してどのような影響を与えるかについてレクチャーや議論を行いました。アジャイルやウォーターフォールにおけるプロセスの違いが不確実性の取り扱い方に根ざしていること、不確実性の種類や重要性によってワークプロセスやワークスタイル、意思決定のあり方がどう変わるか、チームのマインドセットにより不確実性への向き合い方がどう変わるかなどのテーマを扱いました。

不確実性の種類
不確実性をワークプロセスの中でどのように捉えるか

4. 課題抽出ワークショップ

ここまでの議論を踏まえ、実際の設計開発プロセスを対象とした課題抽出のワークショップを行い、どのような施策が必要なのかを議論しました。実際に開発している製品の関係者ごとにグループに分かれて、メンバーが抱えているもやもやや課題感、認識の差異を付箋を使って色々な視点から明らかにしていきました。その後、成果物をマイルストーンの観点から整理し、どのような不確実性がプロジェクトに影響を与えているのか、既存のプロセスに対して何ができるか、を議論しました。

参加者の声

研修後にご回答いただいたアンケートより、ご意見やご感想をピックアップして紹介します。

  • 普段何気なく開発業務で実施しているところを、形式化して問題点を明確にすることが、システム開発手法においてより重要であることを改めて感じました。
  • 自分たちが行っている商品開発の流れをステークホルダ、アジャイル開発などの共通の言葉とビューモデルで表現しプロジェクトメンバーで共有し課題を見つけ出し改善していくことが理想の開発のKATAを構築していく上で大事であることが分かりました。
  • 不確実性を許容量以下に抑えるために、モデル、ビュー、ビューポイント、ワークプロセス、マイルストーンを意識し、目的を持って業務を進めていきたいと思いました。
  • 普段の業務の中で漠然としていた困りごとが「不確実性」という定義で言語化されたことで他の人との意識の共有がしやすくなった。
  • 不確実性をいかに少なくすることがプロジェクト成功のカギであることを学べました。
  • ワークショップは、実際の業務と関係している内容で取り組め、とても良い振り返りの機会となりました。ありがとうございました。
  • よく考えられていた内容でした。ぜひ研修がよりよいものにできるか一緒に会話させてもらえると助かります。ブラッシュアップして継続的に研修を導入できる内容にしたいです。