今回のゲストは、東京都町田市で保護猫施設を運営する大平さんです。
インターネット上では猫が登場する動画や画像がいつも大人気ですが、野良猫の増加や多頭飼育崩壊などは社会問題となっており、年間3万頭もの猫が殺処分されています。
そんな猫の命を一つでも多く救うことを目的に、猫の保護活動に取り組むボランティア活動も多く行われています。今回はそのような活動について、Balusを使って整理しながらお話をお聞きしました。
業務や組織の課題を抽出する時によく使うビューとプロセスを使うことで、保護活動の全体像や課題がよくわかるモデリングとなったので、ぜひご覧下さい。
以下では、今回描いたモデルについてそれぞれ簡単に紹介します。
まずは猫の保護活動に関わる人や組織(ステークホルダ)を洗い出す「コンテキストモデル」を描きました。システムを理解したり設計したりする際に多くの場面で「まず最初に描くモデル」です。
コンテキストモデルを描くことで、ステークホルダや外部要素を抽出し、対象システムとの関係性を描くことで、対象システムの全体像や範囲を把握することができます。
今回の話題の中で最も重要な登場人物(登場動物?)は「保護が必要な猫」でした。お話を聞いていくと、保護が必要になる経緯には様々なパターンがあるらしく、「保護が必要な猫」を分割・具体化していく形で明らかにしていくモデリングを行いました。ひし形(◆)の矢印は分割や包含などの関係性を表すときによく使われます。
ステークホルダを明らかにした後は、猫の保護活動が具体的にどのようなプロセスで進んでいくのかについてお話を聞き、アクティビティモデルとしてまとめていきました。コンテキストモデルを描きながら抽出したステークホルダをアクティビティの「主語」にして、誰が・どの順番で・何をするかを描いていくことで、猫の保護活動の内容を可視化できました。
活動を可視化したアクティビティモデルは様々なことに活用できます。今回は問題や課題の抽出に活用してみました。各アクティビティを見ながら、現状でどのような課題があるのかを考えて、アクティビティモデルの上に描いていきます。下のキャプチャ画像では、紫色のノードが課題を表しています。
抽出した課題(紫色のノード)を別のビューにコピーし、グルーピングすることで整理しました。時間があれば、課題間の因果関係を考えることで、優先して解決しなければならない課題を明らかにしたり、アクティビティモデル上での抽出では見つけることのできなかった本質的な課題を見つけたりすることができます。
どなたでもBalusの基本的な操作をお試しすることができるサンドボックスを用意しました。ログインなしでシステムモデルの描画やビューの作成など、一通りの操作が可能です。
下記の注意点をご覧になった上で、ぜひ一度Balusを触ってみて下さい。