教育用のタブレット端末、電子決済のための通信モジュールなど、私達の生活に不可欠な機器を企画・設計・開発・製造している三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社さまを対象に、複雑な組み込みシステムの設計を題材とした完全オンラインの研修サービスを提供しました。
顧客の求めるものが機能から体験へと変化し、VUCAの時代と呼ばれるようにビジネスの不確実性が高くなっている中で、システム設計のあり方も変化してきています。
家電など身の回りの様々な機器を制御する組み込み系ソフトウェアでは、手続き型プログラミングが多く採用されています。一方で、UI/UXを担うアプリケーションレイヤーでは、オブジェクト指向型プログラミングが採用されることも多くなってきており、ソフトウェアのアーキテクチャに変化が起きています。また、クラウドとの接続なども考慮する必要が出てきており、組み込み系のシステム設計は益々難しいものとなってきています。
そこで、この研修では、複雑な組み込みシステムを題材に「分断の解消」という視点を獲得することを目的とし、
をテーマとした対話型のシステム設計ワークショップを行いました。
ワークショップでは、レヴィ式のソフトウェアシステム設計の概要を学んで頂いた上で、普段の業務を可視化した上で課題を抽出し、課題を生む「分断」を考えました。さらに、その「分断」を解消するために有効なモデルや対話について考え、トライアルを行いました。
この研修は、オンラインで同期的にモデリングを行うことのできるツールBalusを活用して、フルオンラインで提供しました。
この研修プログラムでは以下の内容を2日間(初日は13:00〜16:00、2日目は9:00〜12:00)に渡って実施しました。
システミングを組み込み系ソフトウェアの設計に活用するために、より実践的な内容を学んで頂きました。ソフトウェア設計において、どこで分断が起きやすいかに着目して、どのようなモデル(ビュー)を活用すると早期に分断を発見することができるのかについて、実例を示しました。
「ビュー」の考え方を活用することで、自身や同僚が感じている課題感を洗い出し、その原因となる分断について議論しました。普段の業務を可視化した上で、まずは「もやもやしたこと」や「嫌だったこと」など感情に起因したものも含めて自由に課題の洗い出しを行い、その後、課題の書き直しや原因の考察を行うことで、顕在化していない課題の発見につながります。こうしてできた課題を「○○と△△の間の××の分断」や「○○と△△の間の××に関する認識齟齬」というフォーマットで記述して、普段の業務に内在している「分断」を発見していきます。
課題洗い出しワークで明らかになった課題と分断に対して、どのようなモデルが有効であるかを議論しました。さらに、「モデルを使った対話」を実践することを通して、分断の解消方法を体感しました。
研修後にご回答頂いたアンケートより、ご意見やご感想をピックアップして紹介します。